漂流くらぶ

ためになりそうな事なんでも

とあるバンドがスタジオレコーディングで大失敗して後悔した記録①

      2017/06/05

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私は、趣味でロック系のバンドをやってます。
ローリング・ストーンズを根っこに持つ、オリジナルのロックです。
もちろん、聴くとストーンズの要素がチラホラ見え隠れしてます。
そんな、バンドです。

先日、バンドで初の本格レコーディングをしました。
結果から先にいいますが
結果は・・・ボロボロ・・・。
泣き寝入りの何十万の支払い。
悔しさで何日も寝られない状態が続きました。

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本日は、バンドをやってるみなさんがレコーディングで失敗しないように、私達が失敗した内容を踏まえ記録するのと、この苦い思い出を一生忘れないようにするために記録しておきます。

レコーディング前

信用して、入念な打ち合わせを全くしていなかった

いつも練習やライブでお世話になってる所でレコーディングの話を持ち出しました。
当初は自分たちの実力を知るという意味を含め、「ライブっぽく、一発録りでいきたい」という事だけを伝え、日時を決め、そのレコーディング前にガイドとなる音を録ろうと言われ一週間前にスタジオに入り、クリック音に合わせてリズムギターとボーカルを仮録りしました。

マイク録音、ミックスダウン、マスタリングまで、ここのライブハウスでPAをしているエンジニアがやると言う事で、いつもお世話になってるので安心してお願いしました。

環境は、Protools(だと思っていた)
しかも、Windows XP
「大丈夫かな?」と思いつつも、あまり考えないようにした。

レコーディング当日、スタジオに行くと、マイクがドラムやアンプの前に立ち並び、レコーディングの風景が目の前に入ると、テンションが上りました。
ただ、いつもライブをしている場所なので、エンジニアも私達の音については十々承知だろうと勝手に思っていたのが、後々最大のミスとなってしまうなんて、この時は思いもしませんでした。

マイク録り

スタジオの都合で一発録りじゃなくなる

セッティングは、スタジオ内にドラム、ベース、リズムギター、それとボーカルマイク。
この4つのパートをスタジオの中で同時に演奏し、録るということでした。
ただ、ベースはライン録りでしたので、これは気にする必要はなし。
うちはツインギターなので、フレーズを弾いたり、ソロを弾くパートのギターは後から入れようと言うことでした。

さて、セッティングも終わり、各パートに音かぶりを抑えるためのパーティションのような物が立てられてました。が、ペラペラのフニャフニャでとても薄く、音出しチェックしてみると、他の楽器に立てたマイクへ他の楽器の音がモロ被ってます。
あまりにも被りが酷かった為、ギターアンプをすぐ横の別のブースへ持ち出し、長いシールドで戻してギタリストはスタジオ内で演奏と言う形で何とかなりました・・・が!
いざヘッドフォンをつけ、音チェックをしていると、なにやら別の音が聴こえてきます。
「ドラムの音がする・・・」
うちのドラマーは叩いてません。
見に行くと、アンプを置いたブースの、そのまたすぐ隣の別のブースからドラムが聴こえており、その音を拾ってるようです。
しかもヘッドフォンで聴くとかなりデカい音で入ってます。
そうです。そのギターアンプを置いたブースの、そのまた隣の別のブースで他のバンドのバンド練習が始まったのです。

とにかく、その時はビックリしました。
音漏れがかなりするスタジオでしたので、念を入れて他のバンドとかの練習なんて入れてないでしょ。と勝手に思ってたんですが、まさかバンド練習の予約入れてたなんて。。と

結局、ベースとドラムのみ一発で録るという方向へ変わりました。

ドラマーがエンジニアに「優しく叩け!」と怒られる

さて、ギタリスト二人は何もする必要がなくなったので、とにかくリズム隊の二人の演奏をチェックするという役割になりました。
ようやく落ち着いてから、よーくリズム隊を見てみると・・・

「あれ?オーバーヘッドのマイクが1本しかない?あれはコンデンサーマイク・・・」
なんでオーバーヘッドをマイク1本で録るのか、その時は不思議でしたが、もうエンジニアを信用するしかないので、特に何も言いませんでした。

そしてうちのドラマーが叩いてドラムの音チェックを行い・・・
するとエンジニアが、スタジオの中に入り、うちのドラマーに・・・

バンバン、強く叩くな!もっと優しく添えるように叩け!」と注意してきました。
うちのバンドはロック系のバンドです。
ドラマーも「なんで?」と、目が点になってましたが、「ドラムってのは強く叩けばいいってもんじゃないんだよ。」と、あまりにもガミガミとうるさいので、言うとおり優しく叩くようにしました。
さすがにスネアの音は「パアーン!」なんて張りのある、いい音なんて鳴りません。
ぽわーん」て鳴ってます。小さなオモチャの太鼓と言うかボンゴみたいな音?がします。
クラッシュ系シンバルも優しく叩いてるので「ちーん」て、まるで仏壇です。
しかし、エンジニアは

うん、いい音で録れてる

マジで?ものすごく疑問に思いながらも「まあ、ミックスで何とかなるのかな?」と勝手に思い込み、そのままリハが始まり即、本番へと進みました。

が、ここでまた疑問が

最初にセッティングした時のままで、マイクを一切動かしてないけど?大丈夫なのかな?

そんな疑問を感じながら、5曲ほど連続でリズム隊を録音完了。

ギターをコンデンサーマイク1本で録音

そして、相方のリズムギターの録音が始まり・・・

またまた、ここで疑問が

「あれ?アンプの前にコンデンサーマイク1本しか立ってないけど?しかも、えらく近い位置に立ってる」

チューブ系アンプの少し大き目のアンプで、相方が普段使ってるアンプです。
コンデンサーマイクはアンプから15センチほど離れてど真ん中に立てられてます。
チューブ系アンプなので、それなりにデカい音で鳴らさないとチューブの歪んだ音が出ませんので、かなり爆音です。
スタジオで鳴ってる音は、それなりにいい音で聴こえます。
しかし、コンソールのレコーディング用モニタースピーカーで聴くと高音の「ジャリジャリ」した潰れたような音しか聴こえません。
それを聴いてるエンジニアは全く気にせず。
相方もヘッドフォンを付けてますが、アンプが目の前で爆音でなってるので、ヘッドフォンからの返しの音がほとんど聴こえないようでした。

そして、そのままレコーディングスタート。

疑問に思い「あのー、ギターの音が高音だけでジャリジャリ言ってますけど」と問いかけると
ん?さあ、俺はあんたらの出したい音がわかんないから。
コンデンサーだから、ここに出ててる音が本当の音だし。
ボーカルをコンデンサーマイクで録ったら、そのまま出るでしょ?
だからアンプから出てる音は実はこんな音なんだよ
と、よくわからん説明で言いくるめられました。

この時に疑問に思ったことが、後々最大のミスとしてミックスの時に現れます。

そして、次に私のギターも録りましたが、あの潰れたようなジャリジャリ音がかなりヤバかったので、エンジニアが他の事をしてる間にこっそりマイクを動かし、なおかつ私のチューブアンプのボリュームをかなり下げてエフェクターで歪を調整し、なおかつ私自身はスタジオに入らず、コンソールルームで弾くようにしてヘッドフォンを被って、音調整をしながら録音しました。
お陰で、私はまだマシに録れましたが、チューブアンプの音は全く鳴ってない状態でした。

そして、後日、ボーカルとコーラスを録りましたが

一部、ポップガード無しで録ってる場面があったりしました。

「あのー、ポップガードついてないですけど」

あー、大丈夫。あんなの気休めだから

「はぁ・・」

案の定、歯擦音がバリバリ入りました。

ミックスダウン

・ひどいラフミックス

さて、ボーカルとコーラスを撮り終えた次の日、ラフミックスが出来たと連絡が入ったので取りに行きました。
なんだかんだで、やはり出来上がりが気になってましたし、何より音源を聴く事を楽しみに取りに言ったわけです。
さてさて、ラフミックスを聴いてみると・・・

なんだ?このポフポフ鳴ってる軽いスネアは?
ぽいーん・・・ぽいーんて鳴ってる

ハイハットがすげえウルサイぞ
左のギターはあのジャリジャリの音のままだ!
それとドラムの音がすごく不自然で、なんかハイハットもスネアも途中で突然ブツ!って切れてるし

そんな感じの最初のラフミックスでした。

後日、2回目のミックスに立会い、衝撃発言

上記の件をエンジニアに問いただすと・・・
ああ、スネアはなんかポイ〜ン・・・ポイ〜ンて鳴ってておかしいから、ゲートをキツくかまして途中で切ってる。そしたらハイハットも途中で切れるんだわ
ハイハットの音量は・・・スネアのマイクに音がかなり被り過ぎてて、ハイハットを引っ込めようとするとスネアも引っ込むから、どうしてもこうなってしまうんだわ。これは俺のマイクセッティングがダメだった。失敗したわ。

・・・なに!?失敗??

衝撃発言です。
マイク録りの時に失敗したとサラッと言いました。
そして、何事もなかったように次の話を・・・
「ギターは、どうしたいのかわからんから、自分で触りな」とイコライザーを触るように言ってきました。
横でジーっと見られる中で満足に触ることも出来ないまま何とか、まだマシかな?マシであってくれ!くらいの感じでササッとやりました。
そもそも、思ってた音と全く違うので、イジっても結局 変な音のままです。
とにかく、ドラムは酷い音だったので、要点を伝えて帰りました。

 

3回目のミックスに立ち会い&ギター録り直し&DAWとプラグインが

どうしても相方のギターの音が納得出来なかったので、数曲だけ録り直しをお願いしました。
この時は、マイクにSM57を使うようにお願いし、なおかつ私の時と同じように相方本人がコンソールルームでギターを弾く用にしました。
これは、なんとか上手くいきました。

そして、ミックスダウンするが
ここで一つ疑問が・・・

いつも、どれもこれも全て同じイコライザーとコンプしか触ってないけど、なんで?」と思い、ぶっちゃけ聞いてみた。
そしたら・・・

エンジニア「ん?プラグイン?ProToolsに標準でついてるのしか持ってないよ

俺「え?」

エンジニア「そんなプラグインなんかに頼ってたら原音が変わってしまうし、そんなのウソの音になるでしょ!?

俺の心「ヤバい・・・なんかヤバい事言ってるぞ、こいつ!」

何とか無理言って、画面を触らせてもらうと

Pro Tools LE 6.9

10年前のソフトでしかも・・・LEじゃん・・・(-_-;)
まさかレコーディング・スタジオでLEなる簡易ソフトのバージョンでレコーディングしてたなんて衝撃でした。

しかも簡易版なので、やりたい事が限られてて「サイドチェイン」すら出来ない。

とりあえず、ディエッサーがあったので、歯擦音がすごい気になってるボーカルにかけてもらうようお願いすると

うーん、かかってるのか、かかってないのか、よくわからん

なんて、つぶやいて結局、破棄に。

かかってます!かかってますよ!」って横で言ってるのに。

気が狂ってるのか?こいつ?

位相・定位、全てがグチャグチャのミックス

焼いてもらったラフミックスを家のステレオに突っ込み、ヘッドフォンで聴いてみると

もう全てがグチャグチャ。

ボーカルだけ、自分の頭の真上から鳴ってる
左右のギターの位置は高さもグチャグチャ
スネアは遥か遠くから聴こえる
さらに何故か二重に被せたような音
バスドラは真ん中より上気味で通常ボーカルの位置から鳴るポジションから鳴ってる
これも二重に聴こえる
コーラスは左右に振ったギターよりもさらに端から聴こえる
クラッシュは遥か遠くから「ちーん」と聴こえる
他の曲では、ひどいのはボーカルよりもスネアが前に出てるとか。

とてもじゃないが、まともに聴けない。
気持ち悪くてゲロが出そうになるほど。

これも、修正を言いましたが多分、耳だけを頼りにイコライザーをグチャグチャにいじりまわしてるので、定位や位相がさらにおかしくなってるんだと思います。そうそう、このエンジニア、レベルメーターとか位相の位置を調べるプラグインとか、とにかく目で見て確認できるようなモノを何一つ持ってません。

定位がおかしいと伝え、何か判断するようなプラグインとか持ってないんですか?と聞くと

やっぱり耳で判断するのが大事じゃない?

それはわかるけど、それでこれかよ。
耳おかしいんじゃないの?と言いたいのをこらえつつ修正依頼。

 

4回目のミックスに立ち会い

一応、色々と修正したと言う事で4回目のミックスに立ち会いました。
しかし、ドラムは一向に良くなりません。
「ぽん・・・ぽん・・」と桃太郎侍でも出てきそうな軽快な音、そしていきなりブツっと切れてます。
ハイハットも「シャンシャンシャンシャン」ではなく「シャンシャ!・・・シャンシャ!・・・」と途中で切れてます。
バスドラムも「トン・・・トトン」と軽い音です。

すいません、スネアとハイハットがおかしいですし、目指してる音と全然違うんです・・・」と正直に言うと

そしたらサンプルにプロの音源でも持ってきなよ!そんなもん、わかるわけないじゃん」とブチ切られました。

そうです。私達は打ち合わせの時から参考にしたいプロの音源を渡していなかったのです。
普段、ここでライブしてるから、俺達の音をわかってくれてるだろう」と勝手に思い込んでいたのです。
もちろん、エンジニアも勝手に「多分、こんな音だろう」と思ってやってた訳です

それって、最初の打ち合わせの時に持っていくもんなんじゃないですか?マイク録りも関係あるだろうし」と言い返すと

エンジニア「そうだよ。よく考えたら、最初からちゃんと打ち合わせしてなかったじゃんか!」って。

俺達を攻めるの?
初のレコーディングで、右も左も知らないのに。。
俺達はあんたを信じて、あんたの計画とやりかたに乗っかるしかなかったんだから。

参考音源を持っていく

主要メンバーが集まり、参考音源を決めて後日、スタジオへ。
エンジニアにサンプル音源を聴かせると
こんな音だったのか。。。全然違うじゃん」て。
「そしたら、この音源を参考にミックスしとくから」

出来るのかよ?
全く違うけど・・・。

5回目のミックス立ち会い

苦労して、参考音源に近づけてはくれていた。
しかし・・・しかし!かなりの違和感がある。
無理やり、相当 強引にその音やバランスに近づけた感じで
でも、やはりドラムの音は近づけたと言っても・・・変わらずヘンテコリンな音で。
「ぽふ・・・ぽふ」と、今にも死ぬのか?と言いたくなりそうな、ひ弱な音・・・。

イコライザー処理を見せてもらったら、そこら中が上がったり下がったりとウネウネの無茶苦茶なイコライジング。
もはや原音は遠くへ行ってしまってる。

と言っても、原音では全く違う音なので、こうなっても仕方がないと言えば仕方がない。

そしてさらに定位がおかしい。
ゲロ吐き度80%越え。
なんで、定位がおかしいって気づかないのかが、わからない。

もはや、どうにもならないと思いつつも、納得いかないので、さらに修正をお願いする。

結局、ミックスダウン10回に到達

何度も何度もミックスをやり直し、聴いては修正を依頼。
もう根本からドラムの音もギターの音もおかしいので、ひとつも満足行きません。
最後はエンジニアから「もう俺のキャパ超えてるよ!もう無理!」と、口を歪めながらブチ切れられて、一旦終了。

でもその最後の音源を聴いても・・・最悪としかいいようがない。

 

エンジニアの言い訳

・そもそも演奏がヘタだから

10回目のミックスダウンを聴いた後、また修正を依頼しようとした時。

エンジニア「そもそも、演奏がヘタだから、こんな音になったんじゃないの?

と、ふざけた発言が。

確かにベースとバスドラはタマにズレたり走ったりしてる。
だが、それは録り直せば済む話。
聴く限りは録り直すほどひどくもない。

大体、音質やミックスに演奏のヘタとか上手いは関係ない。

なに言ってんだ?この男は??とうとう演奏のせいだと言いだしたし

それと、もう一つビックリ発言が

エンジニア「あんなドラム叩いてたら、そらミックスもこんな風になるに決まってるじゃん

俺の心「はあ!?お前が、優しく添えるように叩け!つって怒鳴ってやらせたんじゃないのかよ!

とにかく怒りを押さえながら、話を聞いてました。

エンジニア「大体・・・プラグインだの何だのって色々言ってくるけど、そもそも原音が良くなかったら、そんなのやっても一緒だぜ!?

さすがにブチっと来て

俺「それだったら、最初のマイク録りから相当の時間をかけて、失敗しないように納得いくまでいい音で録らないといけませんよね?

と言い返してやった。

そしたら

エンジニア「それはそうだけど・・・

大体!

俺はエンジニアじゃねえし!

と、ここに来て、「おい・・・気が狂った?」と言いたくなるような発言。

もう、どうでもよくなりました。

最終的に、音源はお蔵入り。
完成してないのに何十万というお金を払わされました。
誰も聴くことなく、永遠にデータとして置き去りにされることになりましたとさ。

今回の件について、まとめですが、次回に書きます!

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