漂流くらぶ

ためになりそうな事なんでも

とあるバンドがスタジオレコーディングで大失敗して後悔した記録②

      2017/06/14

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前回、自身のバンドの初のレコーディングで大失敗した流れを書きましたが、今回はそのまとめ編です。
前回の記事はコチラ
とあるバンドがスタジオレコーディングで大失敗して後悔した記録①

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ちなみに私達のバンドは、今回の最悪なレコーディングのせいでメンバー全員がギクシャクしてて、「解散」の2文字が心の中でチラチラと出てました。
なんとかメンバー全員ギリギリで繋ぎ止めて、毎週集まってバンド練習はしてますが。。
でも、前ほどの情熱が出てきません。
そのくらいメンタル面で大きな打撃を受けますので、皆さんには本当にいいレコーディングを経験してもらいたいです。
たった一人のエンジニアのせいで、あなたのバンドが解散・・・となりかねませんので。

アマチュアバンドがレコーディングで失敗しないために

レコーディングスタジオ選びは入念に

・いつもここで練習してるから
・オーナーと仲がいいから
・安くしてくれるから

こう言う発想でレコーディングスタジオを選ぶのはとても危険です。
いつも練習してるスタジオでバンド練習してて、精算ついでに、「あ、オーナー、こんどレコーディングしようと思ってるんですよー」なんて声をかけたら
「お、じゃあうちでする?いつも練習に使ってくれてるし、安くしといてあげるよ」
「マジっすか!そしたらお願いしまーす」
なんて状況になりかねません。

レコーディング実績もたくさんあり、評価もとてもいい所なら、そこで頼んでもいいのかもしれません。が!このような状況になっても、そこで一旦、落ち着いて一度持ち帰りましょう
例えば、知り合いのバンドで、そのスタジオで録ってもらったことがあるよって知り合いがいたなら、そのスタジオのレコーディングについて、どうだったか?を聞いておくべきですし、今はネットでも調査できます。何よりもバンドメンバー全員で色んな角度から調べて情報を共有し、本当にここでレコーディングしても大丈夫かな?ちゃんと理想の音に仕上げてくれるか?料金はお手頃か?予算に合うか?エンジニアの質はどうか?等、全員で納得出来るレコーディングスタジオを選びましょう。

最初からキチンとお金の交渉はしておこう

レコーディングスタジオが決まったら、まずはお金の事についてキチンと話し合いましょう。パックでいくらだとか、1hいくらだとか?細かい説明を聞いたほうがいいです。
そして、こちらの予算も提示して、すり合わせを行って下さい。
マイク録りのみなのか?ミックスもお願いするのか?予算に合わせて相談しましょう。

後、大事なのは、最初にいくら支払って、残金の支払いはどの時点でどのように払うのか?です。完成してないのに途中から「先に残金入れてくれ」とか「全額先払い」とか言ってくるスタジオは論外です。

保障について聞いておこう

気に入らない場合や、スタジオ側に過失があった場合、お金に関してどこまで保障してもらえるのか?を聞いておきましょう。
でないと、私のバンドレコーディングの様に、エンジニア側の過失があるのに何十万と払わされて返ってこないという、泣き寝入りになるケースもあります。
これ、ホントに精神的にやられます。

エンジニアとの打ち合わせは入念に

スタジオが決まったら、まずはエンジニアの方と入念に打ち合わせしましょう。
うちのバンドはこんなバンドだ。とか、どんな風に録るのか?とか、マイクは何を使うのか?レコーディングの流れはこんな風にとか、とにかく疑問に思う所は全て聞いて解消しておきましょう。違和感を感じたままレコーディングする事が一番危ないと思って下さい。

プロのサンプル音源を事前に渡しておくこと

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これも私が失敗した事例ですが、とにかくエンジニアが、どれだけ私達の演奏を聴いていたとしても、ライブや練習での音とレコーディングの音は別物です。メンバーでさえどんな音を出したいのか共通してないのに、他人がわかるわけがありません。
そこで、自分達が目指している音源として、比較対象になるプロの音源を持っていって聴いてもらい、エンジニアと共有しましょう。
「俺達の曲は、こんな感じにしたい!」
「このくらいギターがガーンと出てて、スネアは重たい感じのこんな音にしたい!」
その上で、あーすればいいんじゃない?こーすればこんな風になると思う・・・等の打ち合わせが出来れば、録りの時にかなりの失敗を防げます。

自分たちが録りたい曲を録音して渡しておこう

サンプルのプロの音源と併用して、自分達がレコーディングする曲をレコーダーに録って聴いてもらいましょう。色んな面で事前に差異を埋める為の打ち合わせや作業が出来ます。

どこまでをお願いするのか?を最初に決めておこう

これも最初の契約の時に決めておく必要があります。
マイク録り、ミックスダウンまでお願いするのか?
それともマイク録りのみで、ミックスダウンは他のスタジオでしてもらうとか。
マイク録り、ミックスダウン、マスタリングまで全てお願いするのか?
私の時のレコーディングは、この辺に関しても一切話しをせず、お願いもしてないのにマスタリングまでされました。
マスタリングと言っても、それ用のプラグインなんて一つも持ってないスタジオだったので、ただの安物のチューブコンプの機械を通しただけですが。。
ミックスダウンで、その音源の全てが決まりますので、一貫してお願いするのなら、その辺も事前に調べるなり、そこでミックスダウンされたCDを聴くなりして、みんなで決めたほうがいいです。

最初の録り音こそキモなので、入念にチェックして決定しよう

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ミックスダウンでいい感じに仕上るか?ならないか?は、最初のマイクでの録り音で決まります。
とにかく、時間をかけてジックリと神経質なくらいの気持ちでやって下さい。
原音の時点で音質や響き、空気感等、理想の音に近づいているかを確認しましょう。
マイキングや各楽器のチューニング、全ての音の細部までに渡って、エンジニアと細かく打ち合わせをしながら決めていきましょう。セッティングから音決めまで2時間以上使ってもいいと思います。ここでつまづいたら、ミックスダウンでも時間がかかる事になりますので。そしたら予算オーバーなんて事に。。

使用するDAW環境やプラグインなど、聞いておこう

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全く知らないは損します。関わる以上は、その周辺環境についても調べて、ある程度どんな事が出来るのかを知っておいた方が、後で提案も出来ますし、エンジニアの技量も確認出来ます。「アイデア」を形に出来るかどうかはエンジニアの腕にかかってますので。今はネットで調べれば大概のことは知ることが出来ます。

エンジニアの言うことが正しいとは限らない

これは私が本当に後悔したことです。
エンジニアとは知り合いで仲もそこそこ、音楽的知識も豊富。
自身も現役プレイヤーでアレンジ的要素もアドバイスしてくれる。
だからレコーディングもバッチリ!・・・なんて、そんなことは全く無いです。

例えば、エンジニアと言えども、よほど有名なエンジニアか評判がものすごくいいエンジニアがいるレコーディングスタジオでも利用しない限りは、上手い下手ってのが少なからずあるわけでして。

知識が豊富なのをやたら自慢気に話してきて、少ない自分の経験を押し付けて、なおかつ自身のプレイヤーとしての経験まで出してくる、あーだこーだと言ってきてコチラ側のニーズに応えてくれないエンジニアの場合は、ほぼ失敗すると言うか、このエンジニアを選んだことを後悔する可能性があるので気をつけましょう。
こちらのニーズやアイデアに合わせて、いろんなものを提案してくれて、「こんなのどうかな?」ってやってくれる人って最高ですよね?

例えば、家を建てる時も、家族の夢や利用に対して前向きで、抽象的な話でも言いたいことを理解してくれて、試行錯誤して提案してくれる設計士や現場監督さんと巡り合うか合わないかで、理想の家の完成度も満足度も全然違いますよね?

それと、一番怖いのが耳が悪くて、センスのないエンジニアです。
そんなのいるのかって?
いますよ!
センスのない建築士だって山ほどいるわけですから当然、センスのないエンジニアも山ほどいるわけです。

主役はエンジニアではなく、こちらである。

これも、とても大事な事ですよ!
本当に勘違いしてるエンジニアの方っています。
「俺の言う事を聞けば、良い音源で取れる」とか思い上がってるエンジニア。
私達のレコーディングでもそうでしたが、エンジニアがうちのドラマーに「優しくスネアに添えるくらいの気持ちで叩け!」とか、何の打ち合わせもなくギター録りに勝手にコンデンサーマイクを使用したり、ドラムのオーバーヘッドマイクが1本だったりと、何の根拠も理由もわからないまま、録りがスタートしました。

ドラム録りの途中で、「オーバーヘッドのコンデンサーマイクが1本しか立ってませんけど?なぜ?」って聞いたら、「ああ、コンデンサーマイクは1本しか持ってないから。」と、オシッコちびりそうな返事が返ってきました。

レコーディングは一体、誰が主役か?って事ですけど、明らかにレコーディングするバンド側が主役です。
そのバンドの音や特性を見抜いて、その個性をキチンと音に収める事を考えて、常にコチラ側に合わせて動いてくれるエンジニア。こういう立場を理解して仕事をしてくれる人に頼まないと、絶対におかしい音源になって終了します。

最後は人と人。エンジニアとメンバー、お互いが気持ちよくレコーディング出来る環境こそ大事です

技術云々、センス云々・・まずは、それがある事が大前提として。
結局は、関わった人 全員が気持ちよく、最後は全員笑顔で満足して終わることが出来るかどうかですよね?
ムスッと膨れ上がったり、無視し始めたり、険悪ムードでレコーディングなんて、まさにトラウマになりかねません。
エンジニアとバンドメンバーお互いが、気を使いあいながらも音楽に対して真摯であり、言いたい事は言いあえて、エンジニア側もメンバー側のニーズを見極めた上で、その要望について意見や提案を言ってもらえる、でも目標は「良い物を作りたい」という、一番大事な本質の部分を忘れず、ズレずに前向きにやることですよね。

まとめ

まあ、色々と書きましたが、結局の所は・・・
レコーディングの本質を忘れず、良い音源を作る為に、全員が前向きな気持で同じ方向を向いて、理想の音へと近づけること。
特にレコーディングしているメンバーがその本質を理解していないと、意味のわからないケンカが起きたりしますからね(笑)
その為に、まず最初にバンドでの密な打ち合わせと、いいスタジオと、いいエンジニアに巡り合うこと、そしてお金の事や契約を把握し、揉め事が起きないように全員でルールを守り、さらなるバンドの飛躍を願って良い音源を作る事ですね。

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